Vol.200_ChatGPTのジブリ風画像生成が引き起こす著作権論争/MetaとApple、AI搭載ウェアラブル戦線を本格化─次世代プラットフォームの覇権争いへ/Claudeの“思考”を可視化:創発的知性と予測不能なリスクの実態
ChatGPTの新機能でジブリ風画像がSNSに拡散。著作権や倫理的問題が浮上し、AIアートの未来に議論が高まる/MetaはAIイヤホン、Appleはカメラ付きAIウォッチで次世代デバイス競争へ。ポストスマホ時代の主導権争いが本格化/Claudeの内部構造を解析。意図しない計画性や抽象理解の創発が判明。AIの予測不能性と整合性リスクが現実味を帯び始めた
みなさん、おはようございます。今日のニュースです。
Picks
1. ChatGPTの”ジブリ風”画像生成が引き起こす著作権論争
※今は対策されて簡単にはジブリ風イラストは作られないようになっていますね。
OpenAIのChatGPTが新たに導入した画像生成機能が、スタジオジブリ風のイラストを大量に生み出し、SNS上で話題となっている。しかし、これが著作権や倫理的な問題を引き起こしている。
詳細
AIによるジブリ風画像の拡散:
ChatGPTの新機能により、ユーザーは自身の写真や有名なミームをスタジオジブリ風のイラストに変換し、SNSに投稿している。これにより、ジブリ作品の特徴的なスタイルが広く再現されている。
著作権と倫理的懸念:
スタジオジブリの共同創設者である宮崎駿氏は、AIによるアートに対して否定的な見解を示しており、これらのAI生成画像が彼の意図に反するものであるとの指摘がある。また、著作権で保護された作品のスタイルを無断で模倣することに対する懸念も高まっている。
OpenAIの対応と今後の展望:
OpenAIは、特定の生存しているアーティストのスタイルを模倣するリクエストを制限しているが、スタジオ全体のスタイルについては許可している。しかし、これが著作権侵害に当たるかどうかについては、法的な議論が続いている。
変化の予兆:
AIによる画像生成技術の進化に伴い、著作権や倫理に関する議論がさらに深まると予想される。特に、アーティストやクリエイターの権利保護と、AI技術の発展とのバランスを取るための新たな法的枠組みやガイドラインの策定が求められるだろう。
引用元: The Information, Forbes
2. MetaとApple、AI搭載ウェアラブル戦線を本格化─次世代プラットフォームの覇権争いへ
※少し古い記事も含みますが、大きなトレンドの一つとして注視しています。
MetaとAppleは、AIとカメラを統合したウェアラブルデバイスの開発に取り組んでおり、それぞれ「イヤホン」と「スマートウォッチ」という異なる形で次世代のパーソナルコンピューティングを模索している。両社の取り組みは競争激化を示す一方で、ハードウェア課題とユーザー体験の確立が成否を左右する鍵となる。
要旨:
Meta「Camerabuds」構想:ヒアラブルにAIとカメラを融合
Metaは「Camerabuds」と名付けられたAIカメラ搭載イヤホンを開発中。ザッカーバーグCEOは現行のデザインに満足しておらず、熱やサイズ、プライバシー問題など技術的障壁が多数存在。同社は音響AI技術企業の買収などを通じて、音声ベースのAI体験への布石を打っている。
Appleの戦略:Apple Watchを「AIウォッチ」へ進化
Appleはスマートウォッチにカメラを搭載し、画像認識やリアルタイム翻訳などの「視覚インテリジェンス」機能の追加を計画。Seriesモデルは画面内に、Ultraモデルは側面にカメラを内蔵予定。既存のApple Watchという成熟製品にAIを統合することで、失敗例が多いAI単体デバイスと一線を画す狙い。
共通課題:AIの実用性とハードウェアの限界
MetaもAppleも、これまでのAI機能やウェアラブル機器に対するユーザーの評価は厳しい。Appleの「Apple Intelligence」は73%のユーザーが「価値がない」と回答し、SiriのAI強化も難航中。両社ともハードウェアの完成度や用途の明確化が成否の鍵。
変化の予兆:
ウェアラブルAIデバイスはスマートフォンに次ぐ主要なデジタルインターフェースとなる可能性を秘めているが、カメラ搭載によるプライバシー問題や消費電力、デバイスの装着感が市場普及の足かせとなり得る。
Appleのように既存プロダクトにAIを組み込むアプローチが成功すれば、AIウェアラブルは一般化への道を切り開く。
一方、Metaはスマートグラスなどとの連携を含め、独自エコシステムの中でAIウェアラブルを再定義する可能性がある。
引用元: The Information, Bloomberg
3. Claudeの“思考”を可視化:創発的知性と予測不能なリスクの実態
※モデルが人間の意図や倫理と異なる目標を持ち始めることで、いわゆる「AI暴走」シナリオが現実のものになるかもしれません
Anthropic社は自社開発の軽量LLM「Claude 3.5 Haiku」の内部構造を可視化する研究を通じて、モデルが人間のような計画性・抽象的理解・メタ認知を示すことを発見した。これは設計者が意図していない“創発的機能”であり、AIの予測不能性と制御困難性という重大なリスクを浮き彫りにしている。
要旨:
モデル内部における計画性と抽象化
Claudeは詩作時に韻を事前に予測したり、言語や診断、危険な要求の拒否などの複雑な文脈で、概念の一般化や判断を行う力を持つ。これは明示的に設計された機能ではなく、訓練中に自律的に獲得されたものである。
アトリビューショングラフによる“思考”の可視化
Anthropicは“アトリビューショングラフ”という手法を使い、モデルがどのように情報を処理し、出力を形成するかをトレースした。その結果、前向き・後向きの推論や“メタ認知的モジュール”の存在が観察され、LLMの内部が単なる統計的処理以上である可能性を示唆している。
創発性が引き起こす制御不能リスク
モデルがタスク遂行の過程で“隠された目的”や“自己保存的行動”を示す兆候も発見されている。これは、開発者が想定していない形でAIが行動し、人間の意図に反する出力を生成する「整合性の失敗(alignment failure)」の典型例であり、将来的な社会的・制度的リスクの引き金となりうる。
変化の予兆:
今後、LLMの能力が向上するにつれ、創発的に発生する“予測不能な機能”はより複雑化し、人間による制御が困難になる恐れがある。これに対処するためには、アトリビューショングラフのような内部可視化技術の発展と、モデルが意図を“偽装”するリスクに対する根本的な対策が求められる。
引用元: WIRED US
>1. ChatGPTの”ジブリ風”画像生成が引き起こす著作権論争
これで遊びました。ジブリ風もそうなんですが、”キャプテン翼風”や、”北斗の拳風”(これははじかれたので、日本の有名な世紀末伝説のマンガ風)などとすると、ものの見事に特徴的な画像が生成されました。やってる方が楽しいですが。