ヒトのiPS細胞からつくる“ミニ脳”は、超省エネなCPUを実現する可能性を秘めている
スイスのスタートアップが開発した脳オルガノイドを用いたバイオプロセッサーは、従来のシリコン製プロセッサーよりも100万分の1の電力で動作し、超省エネなCPUの実現が期待されている。これはコンピューティングのエネルギーコストを大幅に削減する可能性を秘めている。
みなさん、おはようございます。今日のニュースです。
Picks
1. ヒトのiPS細胞からつくる“ミニ脳”は、超省エネなCPUを実現する可能性を秘めている
スイスのスタートアップが開発した脳オルガノイドを用いたバイオプロセッサーは、従来のシリコン製プロセッサーよりも100万分の1の電力で動作し、超省エネなCPUの実現が期待されている。これはコンピューティングのエネルギーコストを大幅に削減する可能性を秘めている。
要旨:
脳オルガノイドの基礎: オルガノイドは多能性幹細胞を培養して作られ、脳オルガノイドは小さなニューロンの塊として脳の一部を再現する。脳オルガノイドはニューロンから構成されており、電気信号を伝達する能力がある。
バイオプロセッサーの開発: FinalSpark社はこの脳オルガノイドを用いて世界初の「バイオプロセッサー」を開発し、ニューロンの電気信号で計算を実行する技術を確立した。これによりエネルギー効率が格段に向上する。バイオプロセッサーは従来のシリコン製プロセッサーと比較して100万分の1の電力で動作し、環境への影響を大幅に減少させる可能性がある。
実用化の課題: 脳オルガノイドがコンピューターのように機能するためには、神経回路を変化させるトレーニング方法の確立が必要であり、これは今後の大きな課題である。現在、脳オルガノイドをトレーニングする方法を9つの大学が研究中であり、電気刺激によるニューロンの反応を観察している。
変化の予兆:
バイオプロセッサーの実用化が進むことで、コンピューターのエネルギー消費を劇的に削減し、データセンターや大規模コンピューティングの環境負荷を大幅に軽減することが期待される。また、再生医療やニューロサイエンスの分野においても新たな可能性が広がる。
引用元: WIRED Japan
2. レアアース材料生産競争の激化
世界中の企業がレアアース材料の供給を確保するため、技術開発と生産能力の強化にしのぎを削っている。
要旨:
レアアース材料は電気自動車や風力発電、スマートフォンなどに不可欠であり、その需要が急増している。国際エネルギー機関(IEA)は、レアアースの需要が2040年までに、現在の3倍から7倍に膨れ上がると予測している。リチウムなどの重要な鉱物の需要は、40倍にまで達する可能性がある。
現在、中国が世界のレアアース供給の60%以上を占めており、米国や欧州はこの依存から脱却するための取り組みを強化している。アメリカのMPマテリアルズやオーストラリアのライナス・コーポレーションがその代表例である。
新技術の開発が進んでおり、特にレアアースのリサイクル技術が注目されている。石炭灰からレアアースを抽出する技術や選鉱くず、廃棄磁石からレアアースを回収する企業も出てきている。
変化の予兆:
レアアース材料の生産競争が激化することで、技術革新が進み、供給チェーンの多様化が進展する可能性がある。特に、米国や欧州の企業が独自の供給源を確保することで、中国依存からの脱却が図られるだろう。
長期的にはレアアースのリサイクル技術が普及し、環境負荷の低減が期待される。また、供給安定化により、関連するハイテク産業の成長が加速する可能性がある。
市場背景として過去数十年間、中国が低コストで大量生産を行ってきたため、他国の生産能力が低下していたが、現在は各国が自国生産の再構築を目指している。
引用元: MITテクノロジーレビュー
3. ドナルド・トランプとシリコンバレーの億万長者の悲嘆
投資家ベン・ホロウィッツとマーク・アンドリーセンは、バイデン政権の未実現キャピタルゲインへの課税提案に反発し、トランプ支持を表明。特に規制強化が技術産業を脅かすと主張している。
要旨:
未実現キャピタルゲイン税への反発: ホロウィッツとアンドリーセンは、バイデン政権の未実現キャピタルゲインに対する25%の課税提案が、技術産業とカリフォルニアの経済に壊滅的な影響を与えると主張。
他の政策への批判: バイデン政権の仮想通貨やブロックチェーン規制、AIに対する制約に対しても強い反対を示し、これがイノベーションを阻害すると警告。
トランプ支持の理由: トランプ支持の背後には、バイデン政権による技術産業への評価不足や、富裕層に対する増税計画への不満がある。また、トランプの強いリーダーシップや個人的な関係も影響している。
変化の予兆:
技術産業への影響: バイデン政権の提案が実施されれば、シリコンバレーの大手投資家が市場から撤退し、スタートアップへの投資が減少する可能性がある。しかし、議会での通過は難しく、実現する見込みは低いと予想される。
政治的な変動: シリコンバレーの有力者がトランプ支持に転じることで、技術産業内での政治的な分断が進む可能性がある。これにより、技術産業全体の政策に対するロビー活動がより一層活発化することが予想される。
経済的影響: 未実現キャピタルゲイン税が実現すれば、富裕層の資産運用や投資戦略に大きな影響を与え、経済全体にも波及効果が生じる可能性がある。
引用元: WIRED US